今年後半戦は、薄型テレビが苦戦している。量販店では薄型テレビを展示の一等地から降ろして、代わりにスマートフォンの売り場を拡大しているところもあるようだ。
今年に入って薄型テレビの価格はさらに下落している。 手頃なサイズの32型や37型などは10万円をはるかに切る価格で売られている。しかも、海外ブランドではなく、日本のメジャーブランドがこの価格なのだ。
これだけ販売価格が下がっているにもかかわらず、今年度の薄型テレビの売り上げは、昨年を50%も下回っている。 市場において薄型テレビの需要が完全に一巡しているため、販売ボリュームがかせげない。
その背景には、地デジ化と政府の実施したエコポイント制度があるだろう。消費マインドが「どうせここ数年で買い換えるなら、安い今やってしまおう」と。その結果、エコポイントと地デジ化の二大ウェーブが過ぎ去った今、薄型テレビは完全に供給が需要を上回っている状態にあり、価格の下落を招いている。
価格のコントロールは難しい。薄型テレビと言えども、消費者のメリット無しに容易に価格を上げるわけにもいかない。つまり、薄型テレビは暴落した現状の価格帯がデファクトとなる可能性が高い。コンポーネントのボリューム仕入を含め、製造コストの押し下げも限界に達する。コストの7割を液晶パネルが占め、各種部品を組み立てれば完成する薄型テレビは、利益率の点では厳しい状況にあると容易に想像できる。
当然、各社機能面での差別化ができなければ価格競争が激しくなる。
もちろん現状の薄型テレビの付加価値を高めるという方法もあるが、テレビが現状のテレビの枠を超えなければ難しい。現状のテレビで継続的なイノベーションももはや利用者の期待する価値を超えつつある。何か破壊的なイノベーションを期待するか、機能面以外で、販売やサポート面での差別化するしかない。
家電は量販店がチャネルの中心となっている。量販店そのものもお互いに差別化が難しい。そしてターゲット顧客も幅広い。新製品を展開し、特定セグメントの顧客をひきつける事が唯一の解にみえる。背品ラインナップを増やし、ニッチセグメント向けのテレビをつくり、そしてこれまでの量販店と違う、ターゲットが絞られた販売店で価格を維持しながら販売していく。
薄型テレビのプレイヤーが共存していくためには、テレビという業界をさらに細分化していく必要がありそうだ。
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