顧客の声に耳を傾ける。
市場を出発点とするマーケティングにとって、
「顧客の声に耳を傾ける」事は基本的な姿勢でしょう。
それが大手企業であれば、なおさらのこと。
大手企業で、大口顧客がある場合には、
この顧客の声(カスタマーボイス)は、最重要。
そして、大手企業であればあるほど、
モノゴトを決定するプロセスはかなり合理化されている。
既存顧客や市場のニーズに反したり、
将来性があまり見えないものは、
この合理的な意思決定プロセスにより
排除される事がほとんど。
■破壊的技術とは?
破壊的技術というものがある。
ハーバード・ビジネススクール教授の
クレイトン・クリステンセン氏が考案したものである。
この「破壊的技術」という言葉は、
同氏の後の著書、「イノベーションのジレンマ」の中で、
「破壊的革新(ディスラプティブ・イノベーション)として
新たに定義されている。
破壊的技術は、それほど新しいものでも、
技術的に難解なものでも無い事が多い。
しかし、必ずしも、既存の顧客の声から聞こえてくるニーズにそぐわない。
この技術(革新)によって、(大口)顧客志向である
大手優良企業に破壊的ダメージを及ぼす。
これらの破壊的技術は、顧客ニーズから見えにくいため、
大手企業の合理化された意思決定プロセスにより
この技術への取り組みは採用されない。
大手顧客の声やからは破壊的技術は明確に見えず、
その上、市場での発展性も予測不能で、
たとえ見えたとしてもニッチ市場として見えるため、
大手企業が投資・参入するほどの経済的魅力は到底無い。
もっとも合理的な理由だ。
新しい市場や、新しい顧客セグメントの登場の予感は、
同時に破壊的技術の登場も予告している可能性があるにも関わらず。
■破壊的技術が既存市場を蝕む
この破壊的技術を持って、新市場のリーダーになった企業には、
新規市場は大変魅力的にみえる。
これらの新規参入組は、既存大手企業のような
高コスト構造でないためだ。
一旦、これらの新規参入企業が市場で足がかりを築いて、
破壊的技術が十分に、既存市場のニーズのボトム(最低ライン)
を満たしてくれば、
大手企業の縄張りに十分参入できるようになる。
この際に大手企業はなすすべがない。
なぜなら合理的な意思決定プロセスにより、
この新市場の技術に対する優先度が下がっている。
つまり、この破壊的技術を軽視しているという事だ。
■そして破壊的技術が市場を牽引する
破壊的技術の例を含む産業は、枚挙が無い。
メインフレームとパソコン、
固定電話と携帯電話、
英会話教室とオンライン英会話、など。
マーケティングマネージャや営業マンが
破壊的技術を見つける事は難しい。
顧客志向の元で、彼らにはインセンティブが無い。
いずれにしても、どの産業でも、
寿命は存在するだろう。
どの事業でも産業でも、
それを支える技術基盤や市場基盤はいずれ滅びる。
破壊的技術によるイノベーションは、
このサイクルにおける一つのプロセスでしか無い。
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