マーケティングにおいてプライシングは非常に重要な意味を持ちます。例えば、製品ブランドと価格設定を巧妙に行うだけでも、プライシングだけでポジショニングを設定する事も可能です。
<可能なプライシングのレンジ>
プライシングには、「カスタマーバリュー」と「製造コスト」の要因に分解できます。
カスタマーバリューは、顧客が感じる製品への価値です。これがプライシング可能な幅の上限値になります。もちろんこのカスタマーバリューは、顧客グループや市場セグメントによっても異なります。
対するプライシング可能な幅の下限値は、製造コストになります。基本的には製造コスト+αで価格を設定し利益が出るようにします。多くの製品はこれに従いますが、ビジネスモデルによっては、例えばプリンター(トナーにて収益)など例外も存在します。
<価格設定手法>
プライシングを決定する要因は、主に「自社コスト」、「市場需要」、「競合価格」の3つがあります。
自社コストを中心に考える場合、実際にかかったコストに一定の利益をのせて最終価格とします。例えば流通業界等では仕入れ値に一定のマークアップをのせて価格を設定していたりします。
「市場需要」を中心に考える場合、「売れる価格」を発見する事が重要です。市場需要を中心に考えるアプローチは、まさに需要供給モデルを想定しており、顧客層や時間帯でも異なる価格の設定が必要になる事があります。映画館では、夜遅くのレイトショーでの割引は、まさにこの市場需要を中心としたプライシングと言えます。
市場需要を中心として考えた場合、売れる価格帯以下に原価を設定する必要があります。
競合価格を中心として考える場合のほとんどは、成熟市場であるか、非常に競争が激しい市場でしょう。業界のプライスリーダーであれ、そう出なくても、どこかの会社が新たな価格を設定すると、他社はそれに追従します。かつてのビール業界がまさにこれでした。他社の値上げ・値下げに対して、例え10円でも追従していましたね。
<製品を考慮した価格設定>
製品単体ではなく、製品ポートフォリオを考えた場合、プライシングの考え方は多少異なります。例えば、お寿司屋さんの「松・竹・梅」。このプライシングがお寿司のラインナップそれぞれのポジショニングを語っています。この手法はプライス・ライニングと呼ばれています。
その他にも、複数のサービスを組み合わせて価格を押さえたり、プリンターやひげ剃りでおなじみのキャプティブ価格もあります。キャプティブ価格では、本体の値段を相当押さえて消費者の心理的購買のバリヤーを下げます。しかし、購入後必要となる消耗品やサービスにて高い利益を得ます。


コメントする