ソフトバンクがiPhoneを投入してから数年が経ち、自分のまわりでもiPhone所持者が圧倒的に増えた事が否定できません。これに引き続いて、シェア1位のドコモがアンドロイド携帯の採用、そして第二位のKDDIですらアンドロイド携帯採用の噂があります。
こうした携帯事業者各社の動きの背景には何があるのでしょうか?
■スマートフォンを取り巻く国内市場
日本の携帯電話市場は、端末出荷台数及び普及率の観点からは既に成長期から成熟期にさしかかろうとしています。また各社のIR資料によれば、その解約率も1%ほどであり、ナンバーポータビリティを導入した後も、携帯事業者間での加入者の移動が少なく、国内市場が随分と停滞気味である事が分かります。
ここへ来てスマートフォンの投入。調査会社のIDCによれば、日本国内の携帯電話の年間販売台数は4,222万台(2008年)に対して、スマートフォンの実績は172万台(2009年)だそうです。そのうちの8割がiPhoneとの事。スマートフォン販売台数は、携帯電話会社各社がスマートフォンを採用して行く事によって、その数は今後伸びて行くと思うのですが、現状としては、販売される携帯電話の10%にも満たないのが現状です。
■顧客の購買ポイントは端末に大きく依存する
現状のスマートフォンの販売台数が少ないと言っても、この伸びは無視できません。なぜなら利用者が携帯電話を購買する場合には、携帯電話端末が非常に重要視されるからです。もちろん、これ以外に着メロ、着うたなどのコンテンツやアプリの数や質も選択材料になるでしょう。電波の入りやすさや料金もあるでしょうけど、各社ともその差は比較的縮まってきているような気がします。
そもそも、いわば携帯電話サービスという点で考えた場合、携帯電話端末とコンテンツは、利用者との目に見える接点であり、視覚化されるサービスの主役です。ですので、利用者がこの二点を重視して携帯電話会社を選ぶという理由は納得できます。
さらに、スマートフォン端末は単なる端末なのですが、特にアップルの場合、コンテンツのプラットフォームも持っており、巧みに端末とアプリのコンビネーションをマーケティングしているのが実態です。
こうして考えてみると、これまでは、コンテンツ、端末、電波とそれぞれ別々の提供者がいて、携帯電話会社がそのイニシアティブを取る事により、ブランドを築いていましたが、スマートフォンの登場により、この構造が崩れつつあると考えるのが自然だと思います。
■次のバトルはどこで?
話を少し戻して、各携帯電話会社のサービスについてみてみよう。端末依存するしないを含めても、これはほとんど同等。今に始まった事ではありませんね。いづれかが新しいサービスを立ち上げると、ものの1年程度で各社が追従します。通話料などの料金体系であっても、まるで模倣したような料金体系をとっている場合がほとんどです。
いわゆる携帯会社が提供する電波(ネットワーク)において大きな差別化のポイントは存在しない、といっても過言ではないでしょう。
すると勝敗の分かれ目は、コンテンツ(アプリ)と端末。ここは、スマートフォン各社とのせめぎ合いになる可能性があると思いますが、現状はSIMロックにより、ある特定の端末を使うためには、その携帯電話のサービスに加入する必要があります。
しかし、SIMロックが解除されてしまったら、完全に主導権はスマートフォン各社にシフトする可能性が大きくなります。そして前述したように、スマートフォン各社はコンテンツ・プラットフォームも所持しており、現状の携帯会社の提供する付加価値サービスをカバーしてしまう可能性があります。もちろん、収益に大きく影響するでしょう。
SIMロックの解除が実現するならば、固定費の占める割合が非常に大きい携帯電話ビジネスは、顧客の獲得に必死となり、おそらく価格競争が激化してくるのではないでしょうか?まさに携帯電話サービスまでがコモディティになりかねません。これは携帯電話会社にとって、非常に大きな脅威です。
ところで、通信サービスには総務省が大きな影響力を及ぼしています。総務省は4月2日にSIMロックに関する公開ヒヤリングの開催をする予定です。総務省のSIMロックに関する決定事項は、携帯電話各社の今後を大きく左右するでしょう。

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