BOPという言葉を知っていますか?ちょっと偏見が入っているかもしれませんが、これは、Bottom Of the Pyramidの略です。経済的に見てピラミッドの底辺のセグメントを指します。このBOPと呼ばれるセグメントは、年間所得が1,500ドル(約15万円)以下を指し、30-40億人の人が属すると言われています。
地球の人口は約60億人ですから、人口的にみて、30-40億人のBOPマーケットは企業にとって非常に大きなものになります。特にモノあふれの時代、成長が止まったと言われている先進国での闘いに加え、企業の永続的成長を求め、多くの企業はこのBoP市場に期待をよせています。
主な新興国開拓企業(2月27日日経新聞朝刊より)
味の素
アフリカやアジアで低価格調味料など拡大。家庭用食品の海外売上高を2016年度に倍の3000億円に。
アサヒビール
提携先の中国・青島ビールと農村部向けの格安ビールを共同開発
コクヨ
国内設備の一部をベトナム工場に移管し、年内に同国で30円程度のノートを発売
タカラトミー
ベーゴマ玩具の部品を減らし、中国で約650円と従来より8割安く
資生堂
中国専用のヘアケアとボディーケア商品に植物由来の容器を採用
多くの日本企業がこの新興国(一部はBOPと定義できる)マーケットへの挑戦を行っていますね。しかし、BOPマーケットでは、これまでのビジネスモデルがそのまま当てはまるとは限りません。
まず第一に、この市場特性を新マーケットとして捉える事が必要です。つまり、BOPという年間所得が1,500ドル以下のマーケットのニーズの把握が必要となります。ほとんどの企業にとってBOPマーケットの市場特性は未知数であり、もちろん、BOPマーケットに対するノウハウは無いでしょう。BOP市場におけるビジネスでは、パートナー探しが重要な要素となりそうです。
次に、これまでの市場とは異なるBOP市場特有の価格帯を攻略する必要があります。多くの場合は現地に工場を持ち、BOP市場特有の製品を開発し、販売しています。ここに出てきた日経新聞にあった例でも、各社様々な新商品を開発しています。前提条件とし、第一の理由の、BOPマーケットのニーズを知る事が必須になりますが、そのニーズを知った上で現地の価格帯に合わせるべく、ビジネスモデルや製品が必要になってきます。
そして最後は、企業の経済的発展に加えて、現地の雇用の創出と、CSR(企業の社会的責任)活動を行う必要性がある点です。現地の社会的側面ときっちりタイアップして自社の成長を行って行く事は極めて重要です。今後発展してくる市場では、特にサステナビリティは極めて大事な項目になるでしょう。海外からの参入企業が、市場でのシェアを獲得したにも関わらず社会的義務を果たしていないのであれば、パッシングを受ける事は必死です。
こうして考えてみると、BOPマーケット参入には、BOP市場特有の経済的価値、社会的価値をきっちりと把握する事がまず第一に必要そうです。
これまで新興企業で成功してきたWinning Scenario(成功事例)が必ずしも適応できないと思います。その国の経済的観念は、かつての成功事例から学ぶ事はできると思いますが、社会的価値には、その国特有の文化、社会性があり、それぞれ時代や国民性によって異なります。
BOPマーケットでは、企業のもつCapabilityを活かしながら、変幻自在に現地市場に適応していく柔軟性が必要ですね。

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