地頭力 - フェルミ推定を仕事に活かす

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 マーケターという仕事をしていると、市場調査系のタスクに直面する事はよくあります。既存市場かつメジャーな市場であれば、市場調査レポートは必ずと言ってよいほど存在します。しかし、新規市場開拓、新製品の市場投入、セグメンテーション別の統計、というような、マーケターの手腕を発揮する事ができるような場面では、市場調査レポートが存在しない事はよくある話です。

 こうした「正解の無い問題」系に直面したとき、よくある答えは、「そういった市場調査レポートが無いので出来ません」や、「特殊市場調査依頼には大金が必要」という類いのモノです。まるで思考停止状態(笑)。

 この思考停止状態には二つの問題があります。

 一つは、問題解決としての思考力が足らない点です。本件は、「グーグルで検索しましたが、そういった情報はありませんでした」、と答えているのと等しく、そこには本人の思考や試行は全くありません。要は、どのような解決方法が存在するのか?という問いに対する思考や試行が存在していない訳です。

 そしてもう一つは、「市場」はどうやって形成されているのか?というマーケター的な視点が全く存在していない点です。市場(規模)に関して言えば、単価x購買者数x購買頻度、などと表現できる事もあり、その一部や個別の全てがそろえば、特殊な市場規模の算出が出来る可能性が出てきます。

 この二つの問題点に共通しているのが、「因数分解」を行う力です。因数分解といっても、数学的に行う事ではなく、一つの事象をその要素要素に分解する能力です。それぞれの要素は、大問題に対する手掛かりとして分かれている必要があります。そしてこれら要素に対してファクトを当てはめ、全体(大問題)を論理的に推測していきます。ファクトが存在しない場合には、仮定を設定したりします。

 マーケターとして市場調査系の仕事では、特にこの能力が必要になります。しかも直感といいながら、これを短時間でこなします。

 この好例がフェルミ推定です。フェルミ推定でよく知られる質問が、「アメリカのシカゴには何人のピアノ調律師がいるか?」です。フェルミ推定を使いこなすには因数分解力が大前提です。

以下は、Wikipediaにある回答例です。


まず以下のデータを仮定する。
シカゴの人口は300万人とする
シカゴでは、1世帯あたりの人数が平均3人程度とする
10世帯に1台の割合でピアノの保有している世帯があるとする
ピアノの調律は平均して1年に1回行うとする
調律師が1日に調律するピアノの台数は3つとする
週休二日とし、調律師は年間に約250日働くとする

そして、これらの仮定を元に次のように推論する。
シカゴの世帯数は、(300万/3)=100万世帯程度
シカゴでのピアノの総数は、(100万/10)=10万台程度
ピアノの調律は、年間に10万件程度行われる
それに対し、(1人の)ピアノの調律師は年間に250×3=750台程度を調律する
よって調律師の人数は10万/750=130人程度と推定される


 これだけだと、市場調査に大事な、市場の伸びが分からないという話もありますが。。どの要素が伸びれば市場が伸びるか?というビジネスドライバー探しはできそうです。

 このようにフェルミ推定は、マーケターが市場調査するときには非常に便利な手法です。それのみならず、キャンペーンの効果を考えるときにも使えるのでは無いでしょうか?是非とも身につけておきたい能力ですね。

 フェルミ推定の練習は、例えば通勤電車内などのちょっとした空き時間にでも簡単にできます。例えば、この広告のターゲット市場にはどれくらいだろうか?広告効果はどれくらい出るのだろうか?などなど。

 また、このブログ記事を書くきっかけとなった本を紹介しておきます。

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このページは、Caericが2010年1月23日 20:56に書いたブログ記事です。

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