先日、牛丼値下げ戦争:吉野家値下げせず!というエントリーで、牛丼業界の値下げ戦争について書きました。その時から気になっていたのですが、もう少し掘り下げて調べてみました。
実は国内の牛丼チェーン店は、大手4社が大きなシェアを持っています。吉野家、松屋、すき家、なか卯が4大牛丼チェーン店ですが、そのうち後者2グループは同じくゼンショーグループに属します。以前なか卯はすき家(ゼンショー)に買収されています。
まずは各社の牛丼関連における売上高を比較してみます。

このグラフにおける「すき家」は厳密には、「すき家+なか卯」です。また横軸はCY(カレンダーイヤー)で、会計年度は実際に1を足して下さい。。。
ここ数年のすき家の伸びは凄まじく、吉野家をすき家が抜いています。ここでの売上高は、牛丼関連事業における売上高になります。

店舗数でも、停滞する吉野家に対して、すき家(ゼンショー)は積極的な店舗展開を行っている事がわかります。店舗数の増加に対して、きっちり売上高に反映されています。この辺から、吉野家vs.すき家(ゼンショー)には、規模の経済の効果が出てくる可能性も考えられ、風向き的にも数字的にもすき家(ゼンショー)有利な兆しがみえます。
さて、これらのグラフからある程度自明なのかもしれませんが、店舗あたりの売上高は、

実は、意外にも松屋がトップです。吉野家とゼンショー(すき家+なか卯)が互角な闘いを繰り広げる中、松屋が店舗あたり一千万円(/年)の差を付けてトップでした。
もう一度先日の牛丼値下げについて指し戻ってみると、まずはすき家が値下げをしかけて、松屋が追従。そして、吉野家は静観しました。
店舗数を急激に伸ばしているすき家が仕掛ける理由も分かります。売上高、そして(すき家+なか卯で)店舗数も吉野家を上回ったゼンショーが、ここで一気に吉野家をたたみかけたいところでしょう。勢いに便乗している感もありますが、戦略としてはアリでしょう。
そして謎なのは、松屋。疑問は2つあります。一つは、何故松屋の店舗あたりの売上高が他競合に比べて高いのか?価格帯とメニューは各社大差ありません。そして2つ目は、何故静観する吉野家を横目に松屋がすき家の値下げに追従したのか?
その答えは、松屋のメニュー構成にあります。松屋って、(都内だけかもしれませんが、記憶の範疇では)券売機のところで、セットメニューが多くあります。ですので、セットで注文してしまいがちになります。これが、主な理由でしょうか。
吉野家でも、「牛丼並みとタマゴ」と言う感じでカウンターで頼みますよね。単品で頼むよりも、デフォルトがセットの場合には、顧客あたりの売り上げ単価が向上するでしょう。
松屋がセットメニューが売れ線であれば、すき家の単品の牛丼の値下げに追従するのは苦ではありませんね。
ここから推測するに、吉野家は単品を中心とした売上になっているものと推測します。伸び悩む売上高からみても、ここは静観した方が良いかもしれませんね。
こうした各社の販売戦略は、微妙なポジショニングの違いから生まれています。同じ牛丼というカテゴリーに属していても、各社の立ち位置はそれぞれ微妙にユニークです。
参考記事:ポジショニング
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