ちょっと古い先月の日経MJの記事で、回転すしの記事がありました。格安大手回転すし各社値下げを展開し、売上では昨年よりも数割増し、ただし数社においては利益率は昨年同様だったそうです。
値引きで言えば、回転すしだけに留まりません。例えば、ファストカジュアル、コンビニでの値下げ、格安ジーンズ競争、ニトリやイケアの値下げ、など。例をあげれば枚挙がありません。
個人的に思うのは、単なる値下げは危険である事。不況時の対策とはいえども、一度下げてしまった値段を、その後値上げする場合、ある程度の顧客を失う事を覚悟しなくてはなりません。そして、それと同時に、値下げ商品(もしくはブランド)が、ワンランク格下の商品として消費者に認識される恐れがあります。ブランド価値を落としてしまう可能性もあります。
各社価格を下げるなかで、こうした工夫が見てとれます。
コンビニの値下げは、トイレタリーなどが中心で、さりげなく売れ筋を外していますね。一見値下げに見えますが、多くの顧客にとってメリットが無いもの。やはり多くのニュースや雑誌に取り上げられました。無料広告みたいなものですね。
しかし続いて、弁当の値下げ。でも、厳密には格安弁当の導入であり、値下げではありませんね。
そしてやはり、うまいと思うのがユニクロ(ファーストリテイリング)。ファーストリテイリングは値下げする前に、g.u. という全く別の格安ブランドを投入し、別店舗で販売をしています。このg.u. がドンキホーテや西友の激安ジーンズと激しい価格競争をしているわけです。ですので、ユニクロそのものが値下げをしていませんね。ここがニトリやイケアと異なるところです。
このg.u.に対して、ユニクロはヒートテックなど付加価値向上型の商材を市場に投入し、g.u.との製品の質・価値的な部分も、そして価格の部分でも、別のポジショニングをしているわけです。この不況が終わったとしても、ユニクロ的は価格を調整しなおす必要はありません。
この点は、大々的に値下げを宣伝広告費までかけてアピールしてきたイオンやニトリ、そして西友の戦略とは異なる点です。
ただ、上記は単なる値下げをした場合であり、量を減らす、余分な機能を減らすなど製品(Product)機能を下げた上で、価格(Pricing)を下げる場合は話が別です。この場合は、別プロダクトラインとみなされたり、別ブランドとみなされる可能性があるからです。
同様に、プリンター、(刃を買えるタイプの)ひげそり、クイックるワイパーなども例外です。これらの商品は、消耗品を繰り返し買うことにより利益を稼いでいますので、最初のいわゆる「本体」の値段を下げる手法はありえます。
この辺の「価値」と「価格」の見せ方におけるさじ加減は、まさにマーケターの腕の見せ所でしょうか。

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