今年のIT業界は、昨年のグリーンITから一変して、仮想化やクラウドが注目を集めてた。ここ数年のIT業界のトレンドを見て行くと、真新しい技術革新はそう多く無い反面、マーケティング的要素を含めた「流行」が多い傾向にある。つまり、最近の革新的なものには、技術要素よりも、新しい組み合わせ等によるビジネスモデル、魅せ方、表現方法に代表されるマーケティング的な要素が多く含まれている傾向にあると思う。
もちろん、クラウドコンピューティングにも例外では無く、今年は注目を集めたものの、来年以降の発展が気になる人も少なく無いだろう。
2010年のIT界を大予測――クラウド"受難"の年が来る?
「サービス停止などの大規模障害の可能性や、セキュリティー関連の大事故の可能性もある。いずれにせよ、企業のCIO(最高情報責任者)が『だからクラウドには手を出さなかったんだ』と言い出すような、かなりの大惨事が起きると思う」。
という見解もある。その一方で、
「たとえどこかのサービスで障害が起きたとしても、クラウドの採用動向には影響しないと思う。競合企業が間隙を突いて、うちのサービスは違うと大きく宣伝するのではないか。クラウドの導入が多少減ることあっても、大幅な変動はないだろう」。(同記事より)
いずれにしても、クラウドに関しては、サービスそのものや、仮想化技術やプレイヤーの戦略に注目があつまっており、むしろネットワークの向こう側にあるはずのクラウドサービスにも関わらず、帯域、遅延や可用性に関するネットワークの重要性というモノは完全に忘れ去られてしまっている。セキュリティに関しても同様だ。
このように大事な要素が忘れ去れてしまっているのは、その注目度合いからだろうか?
もちろん技術的要素の強い革新にはこのような事は起きないだろう。つまり技術そのものの良否が問われるからである。良否が問われている間には、ユーザエクスペリエンすとしての要素の多くに最新の注意が向けられるからだ。
クラウドに関しては、マーケティング的要素が強ければ強いほど、ある要素に注目が集まっても仕方が無いだろう。
こうした背景からみれば、実は、クラウドが流行は単なる通過点に過ぎないのでは?と思えてくる。つまり、ネットブックの人気の高まり、iPhoneなどに代表されるスマートフォンの流行、3G-4Gなどの広帯域モバイルデータサービス、アップルのコンテンツは威信サービス(iTunes)などのサービスが、クラウドの流行を後押ししただけではないだろうか?
クラウドの普及が個人にも企業にも進むとしたなら、その利用方法、特に利便性において、注目度が高まってくるだろう。これは、以前のIP電話にも似ているように思える。この利用方法が、かつての「ユビキタス」のように、なんらかの名称が付いて流行するような気がする。
そしてクラウドサービスに大きな障害が起きれば、それがクローズアップされて、注目が集まる。前述のセキュリティやネットワーク障害がこれにあたる。この部分もIP電話に大変似ていると思う。
もしも今年と同様に、サービスよりも言葉が先行するならば、個人的には、クラウドの流行度合いは縮小していくと思う。そして、その反面リモート環境でもパソコンのように便利に使えるアプリケーション/デバイスの注目度が今年よりも増すと思う。

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