マーケターにとって、市場リサーチデータに目を通して、自分自身の洞察を付け加える事は極めて重要だと思っています。特に、外資系の企業で働くマーケターは、本社に自国の市場及び市況をデータなどのファクト(事実)を添えて説明する事も少なくないでしょう。
単にデータだけをそのまま英語に翻訳するなどして本社に渡すだけなら、まぁ、本社が通訳雇ってデータを読めばそれでおしまい。つまり外資系で働いてるマーケターって、通訳さんと同じ仕事してますよね、って感じ。大事なのは、データに対して自分なりの意見(洞察)を付け加える事。一体、このデータから何が読み取れるだろうか?について常に考えていなくてはならないと思います。
さて、今日はひとつ面白いデータがありましたので、それを使ってチャレンジしてみたいと思います。
国内携帯電話市場はデータ通信が急増、2012年には1億2500万件に--ROA Group予測
- 各社の第3.9世代携帯電話(3.9G)導入に向けたビジョンが少しずつ固まりつつあることから、既存技術である3Gや3.5Gサービスと併行しながら、各キャリアが今後どのように新技術へと切り替えていくかに注目が集まっているとしている。
- 日本市場はすでに飽和状態といっても過言ではない状況にあり、今後は2台目需要が中心になっていくとのこと。
- データ通信の利用が急速に拡大しつつあり、データARPUは年平均6%の勢いで上昇している。
- NTTドコモは、世界の多くのキャリアが採用すると見られるLTEを2010年12月を目標に商用化する方針。KDDIは出資会社のUQコミュニケーションズを通じて2009年7月よりモバイルWiMAXサービスを開始しており、LTEも2012年より開始する予定だ。
この辺が、概況でしょうか。で、結論は、
このような状況から、ROA Groupでは2012年度末の移動体通信加入者が1億2500万件に達すると見ている。2005年度から2012年度までの年平均成長率(CAGR)は3.92%になると予測している。
なんと、携帯加入者数が3年後の2012年に1億2500万人@2012年になるそうです。この数字は、ほぼ日本の人口と同じです。幼い子供と超お年寄りが携帯電話を持つとは思えません。という事は、個人の複数台利用ですね。(と、レポート概要にも書かれていますが)
そこまでデータ専用端末として2台も携帯を所有するメリットって?携帯なんて1台あれば十分でしょう。。。と思ってしまいます。その1台の携帯で、外出時はパソコンにつないでデータ通信すればよいわけですから。もちろん、携帯電話は外出時に持参していると思います。
さて、まず大前提の知識として、3.9GとかLTEあたりで、携帯でもダウンロードのスピードが100Mbpsになるとか。既存のブロードバンドの水準よりも高くなってくると言う事を確認しておきましょう。
その上で、このデータの予測が正しいならば、、、、何がビジネスドライバーでしょうか?
一つ目として、既存のブロードバンドからのスイッチがあげられます。100Mbps級の現状のインターネット接続には、自宅まで工事費を払って(キャンペーンで無料の場合もありますが)光ファイバーを敷設する必要があります。同程度のスピードが期待できる携帯データカードの場合、電波の状況が良ければ、この工事費用が不要になります。もちろん引っ越し時にも、携帯データカードを持って引越せばそれでおしまい。確かに便利です。
もうひとつは、例えばテレビなどとのバンドル、もしくは組み込み。テレビを自宅に設置すれば、自動的にネットにつながり、様々なネット上のコンテンツを楽しめたり、テレビメーカー独自のサービスを楽しめる可能性もあります。パソコンや据付型ゲーム機、防犯カメラなど、他にも可能性はありそうです。
と、思いつくのはこんな感じでしょうか。携帯の場合、最寄りのアンテナがどこにあるか?もしくはGPSなどと連動すると、位置情報をうまく利用できる可能性があります。その上で、広告などにも使える可能性はありますね。つまり、特定エリアにタイムリーな広告を流す。例えばスーパーの特売でもOK。こうしたネットの利用が広まりそうな気配もありそうですね。
余談にはなりますが、こうしたアイデアって、他の人に話してみるとアイデアの幅が広がってきます。人の新たなアイデアや洞察も自分に取り込めば、ますます面白い切り口や視点が見つかる事が多いです。

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